MES2022開催にあたって
MES2022組織委員長
大阪公立大学工学研究科
MES2022(マイクロエレクトロニクスシンポジウム)は9月5日(月)~7日(水)の3日間、大阪公立大学中百舌鳥キャンパスにて開催されます。ここ2回のMESはCOVID-19によるオンライン開催を余儀なくされていましたが、MES2019以来初の対面開催となりました。ここ2年間における様々な形態での双方向ライブ配信技術の蓄積を取り入れ、MESでは初めてのハイブリッド開催となります。
前述のように、昨年、一昨年と培ったハイブリッド、オンライン開催スキルを最大限発揮すべく、事務局、論文委員会、実行委員会、ミッションフェローセッション担当者一同のご尽力があってこそ、今回のMES2022を準備することができております。オールJIEPの総力の結集と申しあげても過言ではないと思います。また、MES2022における基調講演、特別セッション、ミッションフェローセッション、依頼講演の講師の方々、登壇者の方々全員に深く感謝したいと思います。特に、最新の成果を発表される一般講演の登壇者につきましては、ハイブリッドに進化したこの機会を最大限利用して頂きまして、日々の取り組みをご本人、所属元、日本・世界の産業に対して有益に活かしていただくことを心から願っております。
今回の基調講演では、大阪大学 工学研究科の中野貴由 教授、シスコシステムズ合同会社の河野美也 業務執行役員、千住金属工業株式会社の島村将人 研究開発部 統轄部長、日経BP総合研究所の丸尾弘志 上級研究員をお招きすることができました。金属3Dプリンティングにて形成した素材の高機能化、ネットワークシステムの基本アーキテクチャやそれらを支える技術要素、エレクトロニクス実装の低温化・環境調和型によるインパクト、企業や電子機器に関わるデザインとビジネス戦略といった、エレクトロニクス実装業界が関わる幅広い分野で第一人者からの貴重な講演を拝聴できます。さらに3年ぶりの対面実施ですので、基調講演の場や終了後にダイレクトな交流・討論が可能です。
口頭発表では、パワエレ4セッション、最先端材料、インターコネクト、2.5D/3D、信頼性技術各3セッション、高周波実装技術、めっき技術各2セッション、環境調和実装、マイクロメカトロニクス、アディティブマニュファクチャリング、プリンタブル、配線板各1セッションで68件の口頭発表があります。さらに、2件の依頼講演、4件のものづくりセッションという充実した内容です。また、JIEPミッションフェローセッションでは『SDGsに寄与する近い未来のソリューション』というテーマで3件の講演が行われます。いずれも大変興味深い内容であり、活発に議論されると思います。
2度のオンライン開催を経たMES2022では、次の3点を新たに試みました。(1)ハイブリッド開催、(2)スマートプロセス学会 エレクトロニクス生産科学部会主催の電子デバイス実装研究委員会の同時開催、(3)オンサイトでのMES30回記念としてのシンポジウム「More Than Mooreは半導体業界の再生の機会、チップレット化で激変の業界構造とモノづくりへの対策」、(2)(3)では各界の第一人者から計10件の講演があり(3)ではパネルディスカッションも行われます。このように総計91件の素晴らしい講演が揃ったプログラムが用意できたのは、色々なご縁と関係者のご尽力に寄るものです。
実績も多くないハイブリッド開催となるMES2022の運営に際しては、本当に知恵を絞って準備致しました。民間企業に所属する委員の方々も貴重な時間を割いて精力的にご協力下さりました。委員を代表してお願いしたいことは、MES2022を最大限に活用して頂きたい、ということに尽きます。あと、会期中の小さなアラは大目に見て頂けると幸いです。例年同様、今回のMESでも、直近の直接的な課題から次世代、さらにはその先の要素技術やそのタネが多数発表されています。全ての講演・発表内容は参加された方々の一助になると確信しております。MES2022にとどまらず、参加者・会員各位、特に若手の実務担当者がJIEPの活動に積極的に携わっていただいて、若手から中堅、そしてシニアまでもが有機的に結びつくことで将来のエレクトロニクス実装分野の発展に繋げ、さらには日本の競争力を引き上げる、そのような雰囲気を醸成すべく努めたいと存じます。今後ともご協力をお願い申しあげます。